Naoki の居酒屋日記

フィリピン・セブ島在住20年の Naoki が綴る居酒屋日記
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NAOKI物語(10)

 

NAOKI物語(10)


 


ルセナ工場を閉め、セブのマンダウエに、またアパートを借り姉妹達が帰って来た、姉は私の会社で働き、彼女と妹は学校へ行った。


 


半年ぐらいして会社にマンダウエ警察が来た、


「何の用事ですか?」


「貴方を逮捕します」


「話しが分かりませんが?どうして私を?」


「貴方が出したチェックが(小切手)現金にならず訴えが出ています」


「何処から訴えが出ているのですか?」


「ビコールのソルソゴンです」


「ちょっと待ってよ意味が分からないのですが?」


 


台湾人が切った小切手を、前のマネージャーがサプライヤーに渡したそうで、その台湾人が会社を閉めて逃げたので現金にならず、私の会社を訴えたのです。


(金額は約2万ペソ、この日初めて聞いた話しだった)


 


「じゃ〜どうすれば良いんだ」


「今直ぐ逮捕致します」


「冗談じゃない、今聞いた話でどうして逮捕されるんだ?」


「じゃ〜保釈金を積んで下さい」


「幾らだ?」


「1万ペソです」


「それは戻って来るのか?」


「はい、裁判が終わり次第」


 


仕方なく1万ペソを払い、姉にお金を持たせソルソゴンへ飛んで綺麗にして訴えも下ろさせて来た。


 


「保釈金を取り返して来い」


と警察へ行かせたが、なんだかんだと遅らされ結局払いませんでした。


(その時に“この国の警察は最低だ”と思いました)


 


それから数年して、仕事でタイへ行く事になった、チケットを買いマニラ経由でタイ航空に乗る予定だった。


 


朝の便でマニラに着いて、タイ航空のカウンターへ行き荷物を預け、イミグレに行った。


 


イミグレのカウンターにパスポートを出し待っていると、


「すみませんが貴方はフィリピンから出られません」


「エエ、どうしてですか?」


「出国禁止になっております」


「どうして?毎年セブから日本へ帰っているんだよ?」


「ここでは分かりませんから、マニラのオフィスへ行って下さい」


(土曜日だった)


「開いているの?」


「休みです、月曜日に行って下さい」


「私は仕事で行くんだ、今すぐ調べてくれ」


「無理です」


 


仕方なく、タイ航空へ戻り荷物を戻してもらい、タイに居る社長に電話して事情を説明しセブに戻った。


 


月曜日にセブのイミグレへ行き、


「今まで毎年日本へ帰っていたのに、マニラからは出られないってどう言う事だ?」


当時、セブにはコンピューターシステムが無かった、そして調べたところ数年前、ソルソゴンのサプライヤーに訴えられた罪が消えていなかったのでした。


 


「そんなバカな〜終った話じゃないか」


「コンピューターは、消えていなかったんだ」


「どうするんだ?」


「その書類居はあるか」


「あるよ」


「それを持って行けば大丈夫だ」


「危ないから、証明書を作ってくれない」


 


 


それから家に帰り裁判所から頂いた、事件が終わった書類を持ってイミグレに行き出国出来る書類を作って頂き、裁判所からの書類も持ちマニラへ飛んだ。


(今度は簡単に出られた)


 


この国で一度、訴えられると消すのは大変です、


(私の友人は裁判が終ったのに消えたのが2年後だった)


それからも無犯罪証明書を取る時にも、その書類が必要となったのです。


 


 


バンコクの空港に着くと、タクシーに乗りホテルの名前を告げた、運転手は英語が少ししか通じなかったがホテルを知っていたので助かった。


 


ホテルに着き社長の部屋に電話を繋いでもらった、


「今、ホテルに着きました」


「お疲れ様、下に行くから待っていて」


社長が来て部屋を取って頂き、


「荷物を置いたら食事に行こう」


と、ホテルを出たら“ゾウ”が居た、


「凄い〜〜象ですよ〜〜」


社長は当たり前の様な顔をして歩いていた、


(ゾウさん、ですよ・・・・・)


そして、タイ料理屋へ連れて行って頂いた、


(英語の通じないウェイトレスだったが、美味しかった)


 


食事の後は“タニヤ”と言う場所へ行った、そこには日本語でカラオケ屋の名前が出ている看板が並んでいた。


「日本語で書いてありますね?」


「この辺は、日本人相手のカラオケ屋が多いんだ」


その中のビルに入った、ドアを開けるとママさんが来て社長と何か話していた、


「こちらへどうぞ」


席に座ると反対側の席に女性がたくさん座っていた、


「どの子がイイ?」


「英語は通じますか?」


「英語は無理だよ、ここは、日本語を話せる子が多いんだ」


と言われ、社長が4人連れて来て、


「この子達なら日本語が良く分かるよ」


「誰でもいいですよ」


女の子が2人座り一緒に飲んだ、そして30分ぐらいしたら、


「この子でイイのか?」


「エエ、何にが?ですか?」


「連れて帰るんだよ」


「エエ、ここは連れ出し出来るのですか?」


「明日は早いからその子でいいな」


と言われ、社長も1人連れて4人でホテルへ戻りました。


 


エレベーターの所にボーイさんがいて、


「はい、500バーツ」


と言われた、


(連れ込み代取るの?)


 


朝、6時に起床して6時半にレストランへ行き、7時にバンが迎えに来て乗った。


 


ホテルから工場へは約1時間掛かった、大きな工場で海老を専門に加工していた、私は、イカの加工方を教える為に行きました。


 


英語の通じる人を付けて頂き、初日はミーティングだけで、夕方5時に終わりバンに乗りホテルに戻ったのが7時近かった。


(バンコクの渋滞は凄かった、行きは1時間だったが帰りは2時間も掛かった)


 


翌朝、社長は日本へ帰り、私1人で工場へ通った。


 


土日休みだったから、金曜日になりタニヤで知り合った女性と約束をしていたので、オカマショーを見に行きました。


(大きな劇場で、綺麗なオカマがたくさん居ました)


 


「来週は、お寺を見に連れて行きます」


と約束してくれた。


(いろんな意味で良い子でした)


 


翌週、日本に居る友人から電話が入った。


「今週、日本へ飛んで来てくれない?」


「エエ〜今、タイに居るんだよ?」


NAOKIさんが来てくれないと困るんです」


「でも、土日しか休めないんだけど?」


「それでイイから来てくれない?」


「じゃ〜飛行機を調べてみます」


と切った。


 


当時、彼にお客さんを紹介し、その方から、


NAOKIさんと一緒に来て欲しい」


と、言われたそうです。


(この頃から、何でもNAOKIをやっておりました)


 


タイ工場の事務員に調べて頂いたら、


「全日空なら金曜日の夜中に御座いますが?」


「成田到着は?」


「朝の6時です」


「戻りは?」


「月曜日の朝9時に便です」


(月曜日は休まないとならないな?)


 


仕方なく、社長に事情を説明し許可を頂きチケットを買い準備が出来た、しかし、フィリピンからタイですから半袖のシャツしか無かったので、町に出て長袖のシャツを探したが無かった。(困ったな〜〜)


(仕方なく長袖のワイシャツを買った)


 


金曜の夜中に空港から成田へ飛んだ。


 


(ここからが凄いスケジュールだった)


 


成田に到着すると友人が車で迎えに来ていた、


「ごめんね、寒いからこれ着て」


新品のコートを着せて頂いた。


(11月の初めだった)


車に乗ると羽田空港へ行き青森行きの飛行機に乗った。


青森空港へ着くと、


「寒〜〜い」


(青森ですからね)


「コート持って来て良かったね」


青森の社長さんが迎えてくれて、会社へ行った。


 


ミーティング後お昼を食べ、青森の社長の運転で盛岡へ向かった、途中の秋田で工場を見せて頂き盛岡に着いたのは夜だった。


 


この日の内に、


 


“タイ〜成田〜東京〜青森〜秋田〜盛岡”


 


と、生まれて初めてのハードスケジュールが終った。


 


翌朝、盛岡の工場を見せて頂き、ミーティングをしてお昼を食べ盛岡から新幹線で東京へ着き、彼のお兄さんが経営するホテルに泊まり、翌朝6時に出て成田に着きタイへと戻りました。


(もう、カンベンして下さ〜〜い)


 


翌週、タイからフィリピンへ戻りました。


(タイの女性とお寺を回りたかったナ〜〜〜)


 


 


この社長とは、ベトナムにも行きました。


(フィリピン数ヶ所、タイ、ベトナム)


 


マニラ経由でベトナムに到着した、ホーチミン空港には役所の方が迎えに来ていた、


「コーヒーでも飲もうか」


と言われ、喫茶店に入りコーヒーを注文したら、真っ黒なコーヒーが出て来た、


「濃そうですね?」


「こちらのコーヒーは濃いんだよ」


確かに濃いが美味しかった。


 


車に乗りレストランへ向かったら、


「何このオートバイ?」


車よりオートバイが多いから車は肩身の狭い思いをして走っていた、


「中国から安いオートバイが入っているから、殆どの家にオートバイがあるんだよ」


信号で車が停まると目の前にオートバイが数十台も並び、信号が変わると、そのオートバイの群れがイッセイに走り出すから凄かった。


(オートバイが走り出すまで動けないのが車です)


 


レストランに着くと海鮮料理店だった、役所の方が注文し海鮮料理がたくさん出て来た、そして、どれも美味しく、ご飯まで美味しかった。


(フィリピンとは大違い)


 


「両替をしよう」


と言うので、$200を替えたらお金がたくさん来た、


「ミリオンですよ〜使い切れるかな?」


「直ぐ無くなるよ」


(フィリピンのお金だったら使い切れない)


 


夜は、鍋を食べ最後に白い麺が出て来た、


「これは、お米で作った麺なのだ」


この麺が好きになり、居る間の朝食で毎日食べました。


 


食事の後、


「カラオケに行こうか」


と言われ連れて行って頂いた、そこは個室カラオケで女の子が数人来て横に座った、


「英語は分かりますか?」


「無理だな」


「じゃ〜日本語?」


「それも無理」


「どうするの?」


「役所の人が通訳してくれるよ」


(そんなバカな〜〜〜〜)


 


名前を聞いても、歳を聞いても、知らん顔された。


 


通訳の方を通し話しても楽しくなかった、


「連れて帰るか?」


「話せ無い子連れて行っても楽しくないでしょう?」


「いいから連れて行け」


社長に付いた女性は英語が少し話せた。


(他に居ないの〜〜〜?)


 


ホテルに行くとフロントで女性に、


IDは?」


と聞いた、女性は、


「無い」


と言った雰囲気だった、


(言葉は分からないがベトナムは厳しい様だった)


フロントの人が英語で、


「彼女はIDが無いから入れません」


(良かった〜〜)


OKじゃ〜帰るように言って」


と、帰した。


(しゃべれない子と一緒に居てもつまらない)


 


部屋に入ったがテレビを点けてチャンネルを移動したが、日本の番組が出て来ないから、ビールを飲んで寝ようとした時にドアのノックする音がした、


(誰だろう?)


とドアのそばに行くと「SIR~」と声がした、


(フロントの人だ)


「はい」


とドアを開けたら、


「さっきの子が、IDを持って来ましたが?」


「エエ〜帰ったんじゃなかったの?」


「どうしますか?」


「何処に居るの?」


「ここ」


フロントの人の後ろに立っていた。


(マイッタな〜〜)


 


仕方なく中に入れた、


「お前、どうして戻って来たの?」


「・・・・・・・」


「私は1人で寝るから帰りなよ」


「・・・・・・・」


分かる訳が無い。


 


仕方ないからベッドに入り寝ようとしたら、服を着たまま隣に入って来た、


(と、言う事は?)


と思い、服を脱がそうとしたらベッドから出た、


(何だよ〜〜)


「服のまま寝たらシワクチャになるだろう、だから脱いでから寝るんだ」


「・・・・・・・」


(マイッタな〜)


仕方ないから私がTシャツを脱ぎ「こうだよ」と実演した、


「・・・・・・・」


「だから〜〜」


と、彼女の服に手をかけたら逃げた、


「どうでもいいけど何しに来たの?」


「・・・・・・・・」


酔っ払っているし頭に来たので寝たら、隣に入って来た。


(勝手にしろ)


 


翌朝、彼女は服のまま隣に寝ていた、朝食の時間になったので起こし、


「朝食を食べにレストランへ行くから」


「・・・・・・・」


(返事は無いよね)


レストランに行き、社長の彼女は朝帰ったので、二人で話していたら彼女が席に来て私の隣に座った、


「なんだよ〜さっきの話は嘘じゃないか」


「いいえ、本当ですよ〜眠っただけですから、そうだろう?」


「・・・・・・・」


(通じないよな〜〜)


勝手に、何か注文して食べていた。


 


そこに役所の方が現われた、


「おはよう御座います」


「あれ、彼女も一緒なの?」


「実は・・・・・・」


と夕べの話をしたら、


“かわいそう”


と思った彼が彼女に聞いた。


 


彼は驚いた顔をしていた、


「どうしたの?」


「処女だって」


「エエ〜〜じゃ〜どうして来たの?」


彼が聞いた、


「“優しそうだったから”だって」


「そんな〜〜〜」


 


それから仕事に行き、お昼になったら役所の人が呼んだらしく、社長の彼女と私の隣で寝た子も来て一緒に食べた。


 


「午後からは自由行動だ、彼女と一緒に何処かへ行ってくれば」


「言葉が分からない人と行っても“つまらない”ですよ」


 


ホテルに戻った私は、


「デパートは無いか?」


と聞いたが何の返事もない、


(中国人に似ているから漢字分かるかな?)


と漢字も書いたが分からない。


 


すると彼女が立ち上がって、何かを言いオートバイに乗るカッコをした、


(“オートバイに乗ろう”って言っているのかな?)


外へ出たらタクシーに乗り「OOOO」何かを言うと走り始めた、5分ぐらい走って止まったのは汚いビルが並ぶ道沿いだった、タクシー代を払い


「ここで待っていろ」


みたいなジェスチャーをしたので待っていた、するとオートバイが止まった、


「あれ?」


彼女が「後ろへ乗れ」と言うジェスチャーで後ろに乗った。


 


町にはオートバイが多く怖いくらいだった、そして、大きなビルの前にオートバイを止めた。


「デパートだね」


彼女は私の手を取り中に入った、平日の午後だったので人も少なく綺麗なデパートだった、キョロキョロしていたら、また手を取られた仕方なく付いていくと化粧品売り場の前に立った、


「欲しいのか?」


「・・・・・・」


返事が無いのは分かっていた、売り場の女性と話していてショーケースを指差した、


「これが欲しいのか?」


「・・・・・・・・」


店員に「ハウマッチ」と聞くと、


「300,000」


と答えた、英語は通じたが(高い〜〜)と思った。


(フィリピン人の3年分の給料だ?)


計算したら2千数百円だったから、


OK


と言うと大喜びしていた、それからは私の腕を組み民芸品売り場へ行き買い物をしました。


(何故か私もウキウキした?今晩が楽しみになったから)


 


その日の夕食にも高級レストランに連れて行かれ、


(ベトナムは何を食べても美味しいな〜)


と思った。


(フィリピン料理とは大違いでした)


 


お酒も入り良い気持ちになり、10時にはホテルに戻った。


先にシャワーを浴び、彼女もシャワールームに入ったのでビールを飲み待っていた、家から持って来たネグリレジェを着て出て来た。


(覚悟を決めたか〜?)


私は、あせらず訳の分からないテレビを見てビールを飲んでいた、彼女がベッドに入った、


(あせるな〜NAOKI


「ハァ〜〜〜さて寝るかな〜〜」


と言って電気を消しベッドに入った。


(優しく、優しく、)


と言い聞かせ手を出した、


“バッシ”


“イテ”


いきなり手を叩かれた、


(そうか、初めてだからな〜〜優しい言葉で・・・)


(どうしよう?言葉が通じない?)


 


少しずつ手を伸ばし首の下から何とか向こう側に伸びた、


(腕枕状態にはなった)


お尻を向けていたので顔をこちらに向けキスから始めた、


(いい感じじゃない?)


ところが歯を食いしばり嫌な顔をしていた、


(それなら)


と胸に手を持って行った、


“バッシ、バッシ、”


2回も叩かれた。


 


何度トライしても叩かれ疲れたので寝ました。


(ネグリジェは無いだろう?)


 


翌朝、6時半にレストランへ行った、


「どうだった?」


「ダメですよ〜〜」


「お前でもダメか?」


「やっぱり言葉の通じない国は無理ですね」


彼女も隣に座り、米で作った麺を食べました。


 


その日は工場へ行きました、ここではマグロを検査して品質の良いものは日本へ送っていました、他にも魚介類を冷凍して海外へと輸出しておりました。


 


最後の晩も美味しいベトナム料理を頂き、満足したベトナム出張でした。


 


この日も彼女は泊まり、朝、空港まで送ってくれて携帯番号をもらい、通訳の人が、


「“電話して”と言っています」


「誰に?」


「彼女にです」


「言葉が通じないから電話しても何を話すの?」


「ん〜〜ん・・・・」


 


「どうも有難う、また会いましょう」


と言うと寂しそうな顔をして涙を出しました。


(泣くぐらいならOOO~~~~


(私ももらい泣き)


 


それから、ベトナムに行く話しもありましたが、ボツになり二度と会う事はありませんでした。


 


今回はここまで、次回から人生の転換がはじまります。

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この記事に対するコメント

>泣くぐらいならOOOロ~~~

「OOOロ~~~=やらせろ〜」ですね(^o^)
vic | 2010/03/05 6:08 PM
はい。
naoki | 2010/03/06 11:01 AM
昨日はご馳走様でした。やっと同じ年になりましたね。でもねぇ〜ナオキさん、年誤魔化すのはいいですが、統一しておきましょうね〜、この子には?歳、あの子には?歳って言ってあったこと覚えてないんだもん!!
KN | 2010/03/07 12:06 PM
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